专利摘要:

公开号:WO1991008521A1
申请号:PCT/JP1990/001550
申请日:1990-11-29
公开日:1991-06-13
发明作者:Hiroyuki Obata;Minoru Utsumi;Masayuki Iijima;Masato Okabe;Hironori Kamiyama
申请人:Dai Nippon Printing Co., Ltd.;
IPC主号:H04N1-00
专利说明:
[0001] 明 細 書
[0002] フロス ト像記録媒体とフロス ト像作成 · 読取方法及び装置 技 術 分 野
[0003] 本発明は、 熱可塑性樹脂層上にフロス ト像を形成するため の情報記録媒体、 該情報記録媒体にフロス ト像を作成するた めの方法、 作成したフロス ト像を光学的に読み取る方法、 ま たフロス ト像によりオーバーヘッ ドプロジェクタ (〇 H P ) 原稿、 マイクロフィルム、 透過型スライ ドフィルム等を作成 するための装置に関するものである。
[0004] 背 景 技 術
[0005] 従来の情報記録媒体としては、 真空中で熱可塑性樹脂層の 表面に電子ビームにより情報電荷を施し、 帯電後に熱加熱性 樹脂を加熱して軟化させ、 その表面に帯電量に対応した凹凸 部からなるフロス ト像を形成するものが知られている。
[0006] しかしながら、 真空中での画像形成を行う ものは装置が大 型である上、 使用する熱可塑性樹脂によってはフロス ト像を 形成させるのが困難であるものが多い。
[0007] 一方、 真空系を必要としない記録媒体としては、 電極上に 光導電性層、 熱可塑性樹脂層とを順次積層したもの、 又は熱 可塑性と光導電性を有する単層構造のサ一モプラスチッ ク記 録媒体が知られ、 その記録にあたってはコロナ帯電等による 初期全面帯電後、 像露光し、 再度全面帯電したものを加熱現 像、 或いは溶剤蒸気中で現像することにより像露光に対応し たフロス ト像を形成するものも知られている。
[0008] この現像方法は、 例えば第 1 図 (a)に示すように支持体 1 0 c上に電極 1 0 b、 熱可塑性樹脂層 1 0 aを形成した光導電 体 1 0を帯電装置 1 1 により一様にコロナ帯電した後、 第 1 図 (b)に示すように画像露光して画像状の静電荷パターンを形 成し、 その後第 1図 (c)に示すように電極 1 0 bを接地した状 態で加熱装置 1 2により光導電体を加熱すると、 熱可塑性樹 脂層 1 0 aが可塑化し、 静電荷パターンに対応して電極 1 0 b上に誘起されている逆符号の電荷と表面の電荷とが引っ張 りあい、 その結果、 第 1 図 (d)に示すように熱可塑性樹脂層表 面に凹凸像 1 0 a、 すなわちフロスト像が形成される。 フロ ス ト像形成後、 光導電体を冷却するとこの凹凸像が固定化さ れ、 静電荷パターンの現像を行うことができる。
[0009] しかしながら、 第 1図に示す従来の現像方法じは、 光導電 体上に静電潜像を形成しているので、 電荷保持性能がよくな 力、つた o
[0010] また、 光導電性層を有するものは、 その記録にあたってコ 口ナ帯電等による全面帯電を必要とする等の操作を必要とす また、 第 1 図に示す従来の現像方法では、 凹凸の深さを必 ずしも十分とることができず、 そのため濃度レンジを大きく とることができなかった。
[0011] また、 フロス ト像は静電潜像の電位が一定以上でないと形 成されず、 また一定以上の電圧では飽和していまい、 一定の 電位範囲でしか階調再現性がないという性質がある。 一方、 露光量に対する電荷保持媒体の表面電位は第 8図に示すよう な特性を示す。 そのため表面電位が V 1以上 V 2以下でフロ ス ト像が形成され、 この範囲でしか階調再現性がないことに なる。 この範囲は樹脂の種類と膜厚により決まり、 感光体の 特性には関係しない。 したがって、 露光量 Jとしては J 1 ≤ J≤ J 2でしかフロス ト像を作成することができず、 階調再 現性が狭く固定化されてしまう という問題があった。
[0012] また、 熱軟化性樹脂層を有する絶縁性の高い電荷保持媒体 上に静電荷パターンを形成し、 フロス ト像を形成した場合、 このフロス ト像は透過または反射により目視することができ るが、 フロス ト像が非常に細かく なつた場合、 これを精度よ く読み取ることが困難であり、 従来、 フロス ト像の高解像性 を活かす読み取り方法が望まれていた。
[0013] また、 大勢の人に対して資料説明等を行う場合に、 人数分 だけコピー資料を用意することは手間がかかって大変である ので、 このような場合、 O H Pを使用するのが便利であり、 コス ト的にも有利である。 このような O H P原稿の作成は、 従来複写機を使用してオリ ジナル原稿を 0 H Pフィ ルムに ト ナ一現像して複写することにより行っている。
[0014] 複写機による O H P原稿の作成では、 トナー現像を行うた めに解像度は トナーの粒子径により制限されてしまい、 高解 像の原稿を作成することは困難であった。 また、 複写機の感 光体ドラム上の トナー像を熱融着により O H Pフィ ルムに転 写する際、 フィルム材料である樹脂が熱によりダレを生じて しまい、 品質の良い 0 H P原稿を作成することは困難であつ た。
[0015] 一方マイクロフィルム及び透過型スラィ ドフィルム等は、 通常、 銀塩写真、 ジァゾ二ゥム塩電子写真、 トナー現像等を 用いて作成しているが、 これらの方法においては、 いずれも 現像工程をオフライ ンで行うか、 或いはトナー現像の様な場 合は湿式トナーを用いる必要があり、 複雑な装置、 メ ンテナ ンス等の問題点をかかえており問題となっていた。
[0016] また、 従来のフロス ト像作成方法では、 電圧印加露光によ り帯電させているので、 露光量に応じた電位が形成されて凹 凸が形成され、 例えば、 オリ ジナル原稿に光を照射してその 反射光で露光する場合を考えると、 オリ ジナル原稿の黒の部 分は光が吸収され、 白の部分は光が反射されるため、 原稿の 黒の部分に対応したところは凹凸が形成されず、 白の部分に 対応したところに凹凸が形成されることになるため、 原稿の ネガ像が形成され、 ポジ像を得たい場合には反転現像する必 要があった。
[0017] 本発明の目的は、 その画像形成方法が簡単であり、 かつ高 品質、 高解像度のフロス ト像を形成することが可能な情報記 録媒体を提供することである。
[0018] 本発明の他の目的は、 凹凸の深さの大きいフロス ト像を形 成することができ、 現像の濃度レンジを広くできるフロス ト 像作成方法を提供することである。
[0019] 本発明の他の目的は、 露光量に対する表面電位のァ特性を 変えて階調再現性を自由に選択することができるフロス ト像 作成方法を提供することである。
[0020] 本発明の他の目的は、 レーザ光で走査し、 その透過光また は反射光を読み取るようにしたフロス ト像の光学的読み取り 方法を提供することである。
[0021] 本発明の他の目的は、 トナー現像を行わず、 高解像度で、 品質の良い O H P原稿を作成することができる方法及び装置 を提供することである。
[0022] 本発明の他の目的は、 直接ポジのフロス ト像を形成するこ とができるオーバーへッ ドプロジェクター、 マイクロフィル ム、 透過型スライ ドフィルム原稿作成装置を提供することで め 。
[0023] 発 明 の 開 示
[0024] 本発明は、 電極上に分子量 5 0 0 〜 1 0 0 0 0のピネン重 合体記録層が積層された情報記録媒体であつ'て、 該記録層表 面に情報電荷が蓄積された後、 該ピネン重合体を加熱或いは 溶剤蒸気中に放置することにより記録層表面に情報電荷に対 応したフロス ト状可視像を形成するものであることを特徴と する。
[0025] 本発明は、 熱現像時、 静電荷パターンを形成した熱可塑性 樹脂層に対向して所定の電位を有する絶縁体または導電体を 対向配置することにより、 熱可塑性樹脂層表面の静電荷に加 わるクーロン力を大き く して凹凸の深さを大き くするように したことを特徵とする。
[0026] 本発明は、 光導電性層を有する感光体と、 熱可塑性樹脂層 を有する電荷保持媒体を対向配置し、 電圧印加露光により静 電潜像を形成した電荷保持媒体を加熱し、 変形歪みを形成し た後冷却することによりフロス ト像を固定化するフロス ト像 作成方法であって、 電荷保持媒体上にあらかじめ電荷を前帯 電させておく ことを特徵とする。
[0027] 本発明は、 熱軟化性樹脂層に変形歪みを形成した後、 冷却 して変形歪みを固定することにより形成されたフロス ト像の 読み取り方法であって、 熱軟化性樹脂層表面をレーザ光で走 查し、 透過光または反射光を読み取ることを特徵とする。 本発明は、 支持体上に導電性層、 光導電性層を形成した感 光体と、 フロス トフィルムとを対向配置し、 感光体とフロス トフィルム間に電圧を印加しながら画像露光してフロストフ イ ルム上に静電荷像を形成する工程と、 静電荷像を形成した フロス トフィ ルムを加熱してフロス ト像を形成する工程とか らなるオーバーヘッ ドプロジェクタ原稿作成方法、 および支 持体上に導電性層および光導電性層を形成した感光体と、 感 光体に対向配置されるフロス トフィルムと、 感光体とフロス トフイ ルム間に電圧を印加する電源と、 感光体に画像露光す る光学系と、 静電荷像を形成したフロス トフィルムを加熱す る加熱手段とを備えたオーバーへッ ドプロジェクタ原稿作成 装置とを特徴としている。
[0028] 本発明は、 表面に導電性層を形成したドラム上に光導電性 層、 スぺーサを積層形成した ドラム状感光体と、 支持体上に 導電性層、 熱可塑性樹脂層を積層形成され、 熱可塑性樹脂層 がドラム状感光体の少なく とも一部と接触するように順次供 給されるフロス トフィルム、 或いはフロス トフイ ルム上にス ぺーサを積層したフィルムを前帯電する帯電手段と、 帯電し たフロス トフィルムと ドラム状感光体の導電性層間を短絡す る短絡手段と、 露光手段と、 露光したフロス トフィ ルムを加 熱する加熱手段とを備え、 前帯電したフロス トフィ ルムと ド ラム状感光体の導電性層間を短絡した状態で画像露光し、 露 光後加熱現像することによりポジフロス ト凹凸像を形成する ようにしたことを特徵とする。
[0029] 図面の簡単な説明
[0030] 第 1 図は従来のフロス ト像作成方法を説明するための図、 第 2図は露光量に対する表面電位の関係を示す図、 第 3図は本発明の情報記録媒体の断面図、
[0031] 第 4図は本発明の情報記録媒体への静電潜像形成方法を説 明するための図、
[0032] 第 5図は本発明の情報記録層における熱刺激電流測定結果 を説明するための図、
[0033] 第 6図は静電荷パターン形成方法を説明するための図、 第 7図は熱現像を説明するための図、
[0034] 第 8図は形成されたフロス ト像を説明するための図、 第 9図は静電荷パターンの形成を説明するための図、 第 1 0図は熱現像時、 表面静電荷パターンと逆極性の電荷 を帯電させた絶縁体を熱可塑性樹脂に対して対向配置した例 を示す図、
[0035] 第 1 1 図及び第 1 2図は熱現像時、 熱可塑性樹脂層表面に 対向させて電圧を印加した導電体を配置した例を示す図、 第 1 3図は対向電極電位とフロス ト像の深さを示す図、 第 1 4図及び第 1 5図はフロス ト像作成方法を説明するた めの図、
[0036] 第 1 6図は等価回路を示す図、 第 1 7図は露光量と表面電位との関係を示す図、
[0037] 第 1 8図は露光量に対する表面電位、 光吸収の実測値デー 夕を示す図、
[0038] 第 1 9図は表面電位と光吸収の関係を示す図、
[0039] 第 2 0図は熱現像を説明するための図、
[0040] 第 2 1 図は本発明の読み取り方法を説明するための図、 第 2 2図は本発明を入力スキャナーに適用した実施例を示 す図、
[0041] 第 2 3図はフロス トフィルムへの静電荷像の形成を説明す るための図、
[0042] 第 2 4図はフロスト像が形成された 0 H P原稿を説明する ための図、
[0043] 第 2 5図は各種フロス トフィルムを説明するための図、 第 2 6図はフロス ト像のコン トラス ト改善方法を説明する ための図、
[0044] 第 2 7図は雨樋型感光体を用いた実施例を示す図、 第 2 8図はスリ ツ ト状感光体を用いた実施例を示す図、 第 2 9図はプリ ンタに適用した実施例を示す図、
[0045] 第 3 0図は画像形成方法を説明するための図、
[0046] 第 3 1 図は露光量と電荷保持媒体表面電位との関係を示す 図、
[0047] および、 第 3 2図はオーバ一へッ ドプロジヱク夕原稿作成 装置の一実施例を示す図である。
[0048] 発明を実施するための最良の態様 第 3図は、 本発明の情報記録媒体の断面図であり、 2は情 報記録媒体、 2 aはピネ ン重合体記録層、 2 bは電極、 2 c は支持体である。
[0049] ビネ ン重合体はモノ テルペン炭化水素である 一 ビネ ン、 又は;8—ピネンの重合体であり、 本発明では 一 ピネンから 得られるピネ ン重合体、 又は^ 一 ピネ ンから得られる重合体 であり、 その分子量は 5 0 0 〜 1 0 0 0 0であり、 分子量が 5 0 0未満であると成形性がなく、 1 0 0 0 0を越えるとフ ロス ト像形成が困難となる。 これら本発明のピネン重合体の 軟化点は 6 0で〜 1 6 0 °Cのものが好ましい。
[0050] ひ 一ピネンから得られるピネン重合体は、 例えば、 理化ハ ーキュレス (株) 製、 商品名ピコライ ト A— 1 1 5 (軟化点 (環球法) 1 1 5で、 分子量 8 0 0 、 ガラス転移温度 6 4 . 0 °C } 、 また S — ピネ ンから得られる重合体は、 例えば理化 ハーキュ レス㈱製、 商品名ピコライ ト S— 1 1 5 (軟化点 1 1 5で、 分子量 1 7 0 0 ) 等で市販されているものを使用す ることができる。
[0051] ピネン重合体は、 キシレン、 トルエン、 ベンゼン、 クロ口 ホルム、 ジクロロェタン、 n—へキサン等の溶媒に溶解し、 ブレー ドコーティ ング、 デイ ツ ビング、 スピンナーコ一ティ ング等の塗布方法により、 電極上に塗布形成され、 その乾燥 後膜厚は 0 . 1 〃m〜 5 〃mとするとよく、 膜厚が 0 . 1 // m未満であれば表面電位が乗らない、 或いは熱現像前に電荷 がリーク してしまうことにより、 熱現像による凹凸形成がで きないし、 また 5 を越えると高い表面電位を乗せないと 凹凸形成ができない、 或いは塗布する際に樹脂の結晶化が起 こり、 剝離が生じ塗布できない等の問題が生じるので好まし くない。
[0052] また、 電極は支持体に支持されていてもよく、 支持体とし て金属板が使用される場合を除いて支持体上に形成され、 比 抵抗値が 1 0 6 Ω · c m以下であれば限定されなく、 無機金 属導電膜、 無機金属酸化物導電膜、 四級アンモニゥム塩等の 有機導電膜等を使用することができる。
[0053] 例えば酸化ィンジゥム—酸化錫 (ln203 - Sn02 ) ( I T O ) 膜、 酸化錫膜等の透明電極や A u、 A l、 A g、 N i、 C r 等を蒸着、 またはスパッタ リ ングで作製する電極、 テトラシ ァノキノ ジメタン (T C N Q ) 、 ポリアセチレン等のコーテ ィ ングによる有機電極、 また表面が熱酸化処理されたシリ コ ン基板を使用することができる。
[0054] 特に情報記録媒体における電極として、 表面熱酸化シリ コ ン基板等の電極からの逆電荷の注入を防止するような層を設 けた基板を使用すると、 ピネン重合体記録層の膜厚を薄くす ることができ、 よりフロス ト像を高品位、 高解像性のものと するとができる。
[0055] 支持体としては、 情報記録媒体を支持することができるあ る程度の強度を有していれば、 厚み、 材質については特に制 限がなく、 例えば厚み 1 m m程度の可撓性のあるプラスチッ クフィ ルム、 或いは硝子、 プラスチッ クシー ト等が使用され o
[0056] 次に、 本発明の情報記録媒体への静電情報記録方法につい て、 第 4図により説明する。 本発明の情報記録媒体に情報を記録するには、 a —セレン 層、 又は有機光導電層等の光導電性層を電極上に積層した感 光体を使用して行われる。 第 4図 ( a ) に示すように、 1 讓厚のガラス支持体 1 a上に 1 0 0 0 Aの膜厚の酸化ィンジ ゥム一酸化錫 ( I T O ) 電極 1 bを積層し、 更に 1 0 z m程 度の光導電層 1 cを積層して形成された感光体 1 と、 1 0 m程度の空隙を介して情報記録媒体 2 とを対向させて配置す ο
[0057] 次いで、 同図 (b ) に示すように、 電源 Eにより電極 1 b と 2 b間に電圧を印加する。 暗所であれば光導電層 1 cは高 抵抗体であるため、 空隙に加わる電圧がパッシェンの法則に 従う放電開始電圧以下であれば電極間には何の変化も生じな い。
[0058] 感光体 1側より情報光が入射すると、 情報光が入射した部 分の光導電層 1 cは導電性を示し、 放電が生じ、 情報記録層 上に情報電荷が蓄積される。
[0059] そして同図 ( c ) に示すように、 電源 Eを O F Fとし、 情 報記録媒体 2を感光体 1から引き離す (同図 ( d ) ) 。
[0060] 次に表面に情報電荷が蓄積された状態で加熱することによ り、 その表面に蓄積電荷によるフロス ト像が形成される。 加熱方法としては、 抵抗加熱法、 又はオーブン等による加 熱手段により行う とよい。
[0061] 加熱温度或いは加熱時間は、 樹脂の種類及び軟化点により 異なる。 特に加熱温度については樹脂が完全に軟化してしま う温度より高くなると電荷が減衰してしまい静電力が働かな くなると同時にレペリ ングの効果により 1度現れた凹凸が消 えてしまう。 よって樹脂の軟化点より若干低めの温度で加熱 するのがよい。
[0062] 例えば、 ピネン重合体記録層が軟化点 1 1 5 °Cである — ピネン重合体からなる時には加熱温度は 9 0で〜 1 1 0で、 好ましく は 9 5で〜 1 0 0てで 1分間〜 3分間加熱するとよ い。 加熱温度が 9 0 °C未満であると樹脂は軟化せず、 充分な フロス ト像を形成せず、 また 1 1 0でを越えると樹脂の粘度 が低くなりすぎて像がぼける、 或いは像の消去が同時に行わ れてしまう という問題が生じる。 また加熱時間が長いと軟ら かくなった樹脂の流動性によりやはり像がぼけるので好まし くない。
[0063] また、 静電潜像を形成した情報記録媒体を加熱現像する代 わりに、 例えばキシレン、 アセ トン、 メチルェチルケ トン、 トルエン等の溶剤蒸気を満たした密閉容器中に放置すること によっても同様にフロス ト像を形成することができる。
[0064] 以上感光体を使用して静電情報を記録する場合について記 載したが、 本発明の情報記録媒体への静電情報記録方法は、 他にも例えば、 コロナ帯電、 電極針へッ ド、 或いはイオン流 ヘッ ドを用いた静電記録、 レーザープリ ンタ一等の光プリ ン 夕一等による記録方式を使用してもよい。
[0065] 従来、 サーモプラスチック記録材料としてスチレン樹脂、 テルペン樹脂、 ロジンエステル、 クマロン樹脂、 塩化ポリ ビ ニル樹脂等が知られているが、 分子量 5 0 0〜 1 0 0 0 0の ピネン重合体を記録層として使用すると、 他のサ一モプラス チッ ク記録材料に比較して、 その熱現像温度を 9 0 °C〜 1 1 0 eCとしても樹脂表面に形成された情報電荷の減衰を生じな く、 熱的に安定したフロス ト像とすることができることを見 出したものである。 また、 その膜厚は 0 . l 〃 m〜 5 z mと することにより、 フロス ト像をより鮮明にしうることを見出 したものである。
[0066] 即ち、 本発明の情報記録媒体は、 真空条件下でなくても優 れたフロス ト像を得ることができ、 また記録に当たり光導電 性層を必要とせず、 記録方法を簡単にしうるものである。
[0067] また、 情報記録を感光体を使用した電圧印加時露光により 行う ことにより、 次のような利点がある。
[0068] 第 1 には、 フロス トを形成する情報記録媒体として従来の ような光導電性層を必要としないので、 フロス ト像の再生に 際して透過光、 反射光を使用する場合、 光導電性層の着色に よる影響を無くすることができ、 透明なフロス ト像とするこ とができる。
[0069] また第 2には、 電子ビームを使用してのフロス ト像の作成 に比して、 大気中で情報記録を行うことができるので簡便な 装置でフロス ト像を作成できる。
[0070] 第 3には、 電圧印加時露光方式を取ることにより、 特に諧 調性を有するフロス ト像を形成でき、 これにより、 フロス ト 像として優れたものとしえるものである。
[0071] このようにして形成される本発明の情報記録媒体は、 透過 型又は反射型で投影されるオーバーへッ ドプロジェクター用 原稿に適したものとすることができる。 次に本発明の情報記録媒体の具体例について説明する。 〔具体例 1 〕
[0072] 攪拌器、 冷却器、 温度計を付した三つ口フラスコ中に、 2
[0073] 0 0 g の蒸留 S —ピネン (東京化成㈱製を減圧下で蒸留) と 脱水トルェン 2 0 0 g を入れ、 攪拌しながら 1 0 g の無水 A C ^ 3 (純正化学㈱製) を加え、 4 0〜 4 5 °Cで 2時間重 合を行った。
[0074] 次いで、 反応混合物を分液滤斗に移し、 5 %塩酸水溶液 1 0 0 を加えて良く振り混ぜた後上層を分離し、 1 0 %水 酸化ナト リ ウム水溶液、 更に水により洗浄した。
[0075] その後、 無水塩化カルシウムで乾燥後、 溶媒を除去し、 更 にクロ口ホルム 2 0 0 m £に溶解させた後、 大量のメタノー ルにより再沈緞して精製し、 ;3—ピネン重合体を収量 9 6 g (収率 4 8 % ) で得た。
[0076] この重合体の分子量を SHODEX GTC-KF- 800のカラムを使用 した高速液体クロマ トグラフ HLC-802A (東ソ一㈱製) により 測定したところ、 ボリスチレン換算で 5 7 6 0であった。 ま た示差走査熱分析装置 SSC580,DSC-20 ( セイコー電子工業㈱ 製) により熱分析試験により、 軟化点及びガラス転移温度は それぞれ 1 3 (TC及び 7 5でであった。 尚、 以下の実施例に おいて分子量、 軟化点及びガラス転移温度の測定は、 本実施 例と同様に行ったものである。
[0077] 次に得られた/ S — ピネン重合体 9 g をキシレン 4 1 g 中に 溶解した 1 8重量%溶液を調製し、 I T O電極 ( 5 5 0 A、 8 0 / Π ) を蒸着したガラス基板における I T O電極上に スピンコ一夕一を用いて 2 0 0 0 r p mで塗布した。
[0078] その後、 6 0 ° ( 、 1 時間乾燥し、 膜厚 5 5 0 0 Aの S —ピ ネン重合体膜を形成し、 本発明の情報記録媒体を得た。
[0079] この情報記録媒体と、 透明電極上に有機光導電性層を積層 して形成した感光体とを、 第 4図に示すように記録層と感光 体における有機光導電性層を対向させ、 9 z m厚のポリエス テルフィ ルムをスぺーザに用いて形成した空隙を介して配置 した。
[0080] 次いで、 感光体側より像露光すると同時に記録媒体と感光 体における両電極間に感光体電極を負にして 7 0 0 V、 1 . 0秒間印加し、 媒体上に静電潜像を形成した後、 9 5 °Cのォ —ブンで 3分間加熱して、 パターンを明瞭に識別しうるフロ ス ト像を得た。 このフロス ト像を顕微鏡 ( 1 0 0 0倍) で観 察したところフロス ト周波数約 4 5 0周期 Zrnniのものが得ら れた。
[0081] 但し、 ここでフロス ト周波数とは、 現像により生じる凹凸 の隣接する凸部と凸部、 或いは凹部と凹部を 1 周期として 1 議当たりにいくつ周期があるかを顕微鏡観察により測定した ものである。
[0082] 以下、 フロス ト周波数と記載されているものは同様の測定 に従った。
[0083] 〔具体例 2〕
[0084] 攪拌器、 冷却器、 温度計を付した三つ口フラスコ中に、 1 0 0 g の蒸留 α — ピネン (東京化成㈱製を減圧下で蒸留) と 脱水トルエン 2 0 0 g を入れ、 攪拌しながら 5 g の無水 A i C ί 3 (純正化学㈱製) を加え、 4 0〜 4 5 °Cで 2時間重合 を行った。
[0085] 次いで、 反応混合物を分液濾斗に移し、 5 %塩酸水溶液 5 0 を加えて良く振り混ぜた後上層を分離し、 1 0 %水酸 化ナ ト リ ウム水溶液、 更に水により洗浄した。
[0086] その後無水塩化カルシウムで乾燥後、 溶媒を除去し、 更に クロ口ホルム 1 0 0 に溶解させた後、 大量のメタノール により再沈澱して精製し、 一ビネン重合体 (軟化点 1 1 0 °C、 分子量 6 0 0 ) を収量 1 2 g (収率 1 2 % ) で得た。 次いで、 得られた α —ピネン重合体を用いて、 具体例 1 同 様にして膜厚 5 5 0 0 Αの α — ピネン重合体膜を形成し、 本 発明の情報記録媒体を得た。
[0087] 得られた媒体上に具体例 1 同様に静電潜像を形成した後、 9 5でのオーブンで 3分間加熱して、 パターンを明瞭に識別 しうる具体例 1 同様のフロスト像を得た。
[0088] 〔具体例 3〕
[0089] β 一ピネン重合体 (理化ハーキュレス㈱製、 商品名ピコラ イ ト S— 1 1 5、 軟化点 1 1 5で、 分子量 1 7 1 0 ) 9 g を キシレン 4 1 g 中に溶解した 1 8重量 溶液を調製し、 I T 0電極 ( 5 5 0 A、 8 0 Ω ΖΕ1) を蒸着したガラス基板にお ける I T O電極上に、 スピンコ一夕一を用いて 2 0 0 0 r p mで塗布した。
[0090] その後、 6 0で、 1 時間乾燥し、 膜厚 5 5 0 O Aの ーピ ネン重合体膜を形成し本発明の情報記録媒体を作製した。 得られた媒体上に、 具体例 1 同様にして静電潜像を形成し た後、 9 5 °Cのオーブン中で 3分間加熱して、 パターンを明 瞭に識別しうるフロス ト像を得た。 このフロス ト像を顕微鏡 ( 1 0 0 0倍) で観察したところフロス ト周波数約 4 5 0周 期 Zmmのものが得られた。
[0091] また、 このようにして作製した情報記録媒体において、 加 熱温度と表面電位の減衰量との関係を、 加熱温度との関係で 熱刺激電流量を熱刺激電流測定装置 (東洋精機㈱製) により 測定した。
[0092] その結果を第 5図に示す。 これによると本発明の情報記録 媒体は、 9 0 °C〜 1 1 0でという高温において、 充分現像可 能な電位を保持していることがわかる。
[0093] 〔具体例 4〕
[0094] 具体例 3において —ピネン重合体に代えて、 ひ一ピネン 重合体 (理化ハ一キュ レス㈱製、 商品名ピコライ ト A— 1 1 5、 軟化点 1 1 5 ° (:、 分子量 8 3 3 ) を使用し、 具体例 3 と 同様にして I T 0電極 ( 5 5 0 Α、 8 0 Ω ΖΕ] ) を蒸着した ガラス基板における I T O電極上に、 スピンコ一夕一を用い て 1 0 0 0 r p mで塗布した。
[0095] その後、 6 0 °C、 1 時間乾燥し、 膜厚 8 0 0 0 の ーピ ネン重合体膜を形成し本発明の情報記録媒体を作製した。 得られた媒体上に、 具体例 1 同様に静電潜像を形成した後 に 1 0 0でのオーブン中で 3分間加熱して、 フロス ト周波数 約 4 0 0周期 Zmmのフロス ト像を得た。
[0096] 〔具体例 5〕
[0097] 具体例 3において、 — ピネン重合体溶液をスピンコ一タ —を用いて 1 0 0 0 r p mで塗布し、 6 0 °C、 1 時間乾燥し て膜厚 8 5 0 0 人の yS —ピネン重合体膜を形成した以外は具 体例 3 と同様にして、 本発明の情報記録媒体を作製した。
[0098] 得られた媒体上に、 具体例 1 同様に静電潜像を形成した後 に 9 5 °Cのオーブン中で 3分間加熱して、 フロス ト周波数約
[0099] 4 0 0周期 Zmmのフロス ト像を得た。
[0100] 〔具体例 6〕
[0101] 具体例 3で作成した媒体を使用し、 具体例 1 同様に媒体上 に静電潜像を形成した後、 6 0 °Cに加熱してキシレン蒸気を 満たした密閉容器中に情報記録媒体を 5分間放置して、 媒体 上に具体例 3同様のフロスト像を得た。
[0102] 〔具体例 7〕
[0103] リ ンをドーピングして C Z法により作成された抵抗率 1〜 1 0 0 Ω · c mのシリ コン結晶の ( 1 . 0 . 0 ) 面で厚さ 6 0 0 mにカッ トしたシリ コン基板の表面を熱酸化処理した シリ コン基板の熱酸化処理面に、 5—ビネン重合体 (理化ハ ーキュレス㈱製、 商品名ピコライ ト S— 1 1 5、 軟化点 1 1
[0104] 5 °C、 分子量 1 7 1 0 ) 9 g をキシレン 4 1 g 中に溶解した 1 8重量%溶液をスピンコ一夕一を用いて 4 0 0 0 r p mで 塗布した。
[0105] その後 6 0で、 1 時間乾燥し、 膜厚 3 0 0 0 Aの S —ビネ ン重合体膜を形成し、 本発明の情報記録媒体を作製した。 得られた媒体を、 シリ コン基板を電極として具体例 1 同様 にしてパターン露光することにより、 本発明の記録媒体に静 電潜像を形成した。 次いで 9 5 °Cのオーブン中で 3分間加熱して、 パターンを 明瞭に識別しうるフロス ト像を得た。 このフロス ト像を顕微 鏡 ( 1 0 0 0倍) で観察したところフロス ト周波数約 5 5 0 周期 Zmmのものが得られた。
[0106] 具体例 3の情報記録媒体に比して、 より解像度の高い情報 記録媒体となしえることがわかる。
[0107] また具体例 3同様の構成で /S — ピネン重合体の膜厚を 3 0 0 0 Aとして同様に帯電を行った場合は、 帯電電位は即座に 減衰してしまい、 フロス ト像を得ることはできなかった。 〔比較例 1 〕
[0108] 攪拌器、 冷却器、 温度計を付した三つ口フラスコ中に 1 0 0 g の蒸留 —ピネン (東京化成㈱製を減圧下で蒸留) と脱 水トルエン 1 0 0 g を入れ、 0 に保った状態で攒拌しなが ら l g の B F 3 · ( E T ) 2 0 (純正化学㈱製) を滴下し、 2時間重合を行った。
[0109] 次いで、 反応混合物を分液濾斗に移し、 5 %塩酸水溶液 1 0 0 を加えて良く振り混ぜた後上層を分離し、 1 0 %水 酸化ナト リ ウム水溶液、 更に水により洗浄した。
[0110] その後無水塩化カルシウムで乾燥後、 溶媒を除去し、 更に クロ口ホルム 5 0 に溶解させた後、 大量のメタノールに より再沈澱して精製し、 β 一ビネン重合体 (軟化点 5 9で、 分子量 4 8 0を収量 3 0 g (収率 3 0 % ) で得た。
[0111] 次いで、 得られた /8 — ピネン重合体を用いて、 具体例 1 同 様にして膜厚 5 5 0 O Aの /S — ピネン重合体膜を形成し、 情 報記録媒体を得た。 得られた媒体上に、 具体例 1 同様にして静電潜像の形成を 試みたが、 潜像は急激に減衰し、 帯電させることができなか つた。
[0112] 〔比較例 2〕
[0113] 具体例 3における熱可塑性樹脂として、 ーピネン重合体 に代えて、 ひーメチルスチレン重合体 (理化ハーキュレス㈱ 製、 商品名ク リスタレッ クス 1 1 2 0、 軟化点 1 2 0 °C、 分 子量 1 7 1 0 ) を使用し、 具体例 3同様にして情報記録媒体 を作製した後、 具体例 1 と同様に静電潜像を形成し、 1 0 0 °C、 5分間オーブン中で加熱現像したが、 パターンを識別す ることができなかった。
[0114] また、 加熱温度による熱刺激電流量を測定したところ、 ひ ーメチルスチレンが軟化する温度付近では表面電位は完全に 減衰していた。
[0115] 第 6図は静電荷パターン形成方法を説明するための図、 第 7図は熱現像を説明するための図、 第 8図は形成されたフロ ス ト像を説明するための図である。 図中、 1 は感光体、 l a はガラス基板、 l bは透明電極、 l cは光導電層、 2は電荷 保持媒体、 2 aは熱可塑性樹脂層、 2 bは透明電極、 2 cは 支持体、 Eは電源、 3は導電体、 4は加熱装置、 2 1 はフロ ス ト像である。
[0116] 感光体 1 は、 1 隨程の厚みを有するガラス基板 1 aに 1 0 0 0 A厚みの I T Oからなる透明電極 1 bを形成し、 その上 に厚み 1 0 z m程度の光導電層を形成したものであり、 光が 当たったところは導電性となるものである。 この感光体に対 向して 1 0 z m程の間隙を設けて配置される電荷保持媒体 2 は、 ガラス基板等からなる支持体 2 c上に I T Oを蒸着して 透明電極 2 bを形成し、 透明電極上に口ジンエステル重合体 等の熱可塑性樹脂層 2 aを 3〜 1 0 m厚で形成したもので ある。
[0117] このような感光体と電荷保持媒体とを対向配置し、 第 4図 で説明したと同様に両電極間に電圧を印加しながら画像露光 すると、 光の照射された領域は感光体が導電性となって感光 体と電荷保持媒体の間隙に大きな電圧が加わって放電が起こ り、 一方、 光の照射されない領域では感光体が絶縁性のまま であるので感光体と電荷保持媒体との間隙には放電破壊電圧 を越える電圧が加わらないため放電が起こらず、 電荷保持媒 体上には画像状に静電荷パターンが形成される。
[0118] 次に、 第 7図に示すように、 静電荷パターンが形成された 熱可塑性樹脂層 2 aに対向して 0 . 5〜 1 0 z mの空隙を介 して導電体 3を配置し、 加熱装置 4で、 例えば 6 0てで 3分 間というように加熱して熱可塑性樹脂層 2 aを可塑化する。 このとき、 導電体 3には熱可塑性樹脂層上の表面電荷と逆符 号の電荷が誘起し、 また、 電極 2 bにも表面の静電荷と逆符 合の電荷が誘起しているので、 表面静電荷には電極 2 b、 導 電体 3に誘起された両方の電荷との間でクー口ン力が作用す る。 この場合、 導電体 3に誘起した電荷と熱可塑性樹脂層上 の電荷との間にクーロン力が作用する結果、 可塑化した樹脂 層表面には凹凸深さの大きい第 8図に示すようなフロス ト像 2 1 が形成され、 冷却することにより凹凸が固定化されて情 報として記録される。 こう して凹凸像が形成された電荷保持 媒体に光を照射すると、 凹凸が形成された部分では乱反射が 起こり、 透過光または反射光により凹凸の有無を読み取って 情報の再生を行う ことができる。
[0119] 例えば、 光を照射してその透過像を観察すると、 フロス ト 像の形成されている部分は乱反射が生じて黒く見え、 フロス ト像が形成されていない部分は光は透過して白く見えるので フロス ト像のポジ像が観察される。 一方、 光を照射してその 反射像を観察すると、 フロス ト像の形成されている部分は乱 反射が生じて白く見え、 フロス ト像が形成されていない部分 は光は透過して背景色が見えるので、 フロス ト像のネガ像が 観察される。 なお、 表面の電荷は加熱の過程でリーク して大 部分は消滅することになる。
[0120] なお、 上記説明では導電体 3は全面均一であり、 電荷保持 媒体 2のフロス ト像形成部分と同面積あるいはそれ以上の面 積を有しているものとして説明したが、 これ以外にも、 例え ば導電体をパターン状に形成したり、 導電体に凹凸を設けた りすることにより、 導電体パターンや凹凸形状で変調したフ ロス ト画像を得ることも可能である。
[0121] 第 9図、 第 1 0図は、 絶縁体上に表面静電荷パターンと逆 極性の電荷を帯電させて対向配置した例を示す図である。 図 中、 第 6図と同一番号は同一内容を示している。 なお、 5は 絶縁体である。
[0122] 第 9図において、 第 6図の場合と同様に画像露光して電荷 保持媒体 2上に静電荷パターンを形成する。 次に、 第 1 0図 に示すように加熱装置で電荷保持媒体を加熱する際、 熱可塑 性樹脂層 2 aに対向して静電荷パターンと逆極性の電荷を表 面に均一に帯電させた絶縁体 5を所定の間隙を置いて対向配 置する。 その結果、 絶縁体上の表面電荷と熱可塑性樹脂層上 の表面電荷との間に電気的クーロン力が作用するので、 第 7 図の場合と同様に深さの大きい凹凸像を形成することが可能 である。
[0123] なお、 絶縁体 5に形成する熱可塑性樹脂層上の電荷と逆極 性の電荷は、 必ずしも均一に分布させる必要はなく、 パター ン状に形成してもよく、 その場合はフロス ト像はパターン状 に強調されることになる。 したがって、 フロス ト像として強 調したいところには逆極性の電荷の量を多く して電位差を大 き く し、 逆にフロス ト像として弱めたいところは電位差を小 さ くするように帯電させることによりフロス ト像に変調をか けることが可能である。
[0124] 第 1 1 図、 第 1 2図は熱可塑性樹脂層に対向して導電体を 配置するとともに、 導電体に電圧を印加するようにした例を 示す図である。 図中、 6は導電体、 7は電源である。
[0125] 第 1 1 図において、 第 6図の場合と同様に画像露光して電 荷保持媒体 2上に静電荷パターンを形成し、 次に、 第 1 2図 に示すように加熱装置 4で電荷保持媒体を加熟する際、 熱可 塑性樹脂層 2 aに対向して導電体 6を熱可塑性樹脂層と所定 の間隙を置いて対向配置するとともに、 電源 7により電圧を 印加する。 熱可塑性樹脂層と導電体との間に電源 7による電 圧が加わるので、 表面電荷に作用する電気的クーロン力は一 層大き くなり、 深さの大きい凹凸像を形成することが可能で ある。 また、 第 7図の場合には熱可塑性樹脂層と導電体間の ギヤップに依存して導電体に誘起される電荷量が変化してフ ロス ト像の深さも変化し、 また第 1 0図の場合には加熱時に 絶縁体上の電荷がリークしてしまう問題があるが、 第 1 2図 のように電源 7により電圧を印加することにより、 ギャップ が変化しても導電体に誘起する電荷量が変化しないようにす ることが可能であり、 また加熱時に電荷がリークするのを抑 えることができる。
[0126] なお、 本実施例の場合も、 第 7図の場合と同様に導電体 3 を全面均一で電荷保持媒体 2のフロス ト像形成部分と同面積 あるいはそれ以上の面積を有するようにする以外に、 導電体 をパターン状に形成したり、 導電体に凹凸を設けたりするこ とにより、 導電体パターンや凹凸形状で変調したフロス ト画 像を得るようにしてもよい。
[0127] 第 1 3図は第 7図の導電体の電位、 第 1 0図の絶縁体の電 位、 第 1 2図の対向電極の電位とフロス ト像の深さとの関係 を示す図である。
[0128] 図から分かるように、 フロス ト像の深さは対向電極の電位 とともに大き くなる。 したがって、 対向させる電極の電位が 大きければ凹凸像の深さを深く し、 広い濃度レンジを得るこ とが可能となる。
[0129] 次に第 6図〜第 1 2図の作成方法の具体例を説明する。 〔具体例 8〕
[0130] ロジンエステル重合体 (理科ハ ーキュレス株式会社、 商品 名ステベライ トエステル 1 0 ) 2 O gをモノ クロ口ベンゼン 2 0 g中に溶解した 5 0 w t %溶解を調整し、 I T 0電極を 蒸着したガラス基板上にスピンコーターを用いて 2 0 0 0 pr m で塗布した。 6 0でで約 1 h r乾燥し、 膜厚 5 // mの薄膜 を得た。
[0131] 〔具体例 9〕
[0132] ふつ素樹脂 (旭硝子社製、 商品名サイ トップ) の旭硝子社 製ふつ素系溶媒 7 w t %溶液を I T O電極を蒸着したガラス 基板上にスピンコ一ターを用いて 1 5 0 0 rpm で塗布した。 1 5 0 °Cで約 1 h r乾燥し、 膜厚 2 . 6 mのサイ ト ップ薄 膜を得た。
[0133] 〔具体例 1 0〕
[0134] 具体例 8で得られた媒体と透明電極上に積層された有機光 導電材料とを対向させ、 9 〃 mのポリエステルフィルムをス ぺーサ一に用い、 空隙を介して配置する。 次いで光導電材料 の透明電極側から像を投影し、 両電極間に 7 0 0 Vを 0 . 1 sec 印加して像露光を行い、 媒体上に静電潜像を形成した。 その後、 静電潜像を形成した媒体をアルミニウム板と対向さ せ、 3 . 5 /z mのボリエステルフィルムをスぺ一サ一に用い て空隙を介して配置する。 これを 6 0 °Cのオーブン中で 3 mi n 加熱して凹凸深さの大きいフロス ト像が得られた。
[0135] 〔具体例 1 1 〕
[0136] 具体例 8で得られた媒体と透明電極上に積層された有機光 導電材料とを対向させ、 9 〃mのポリエステルフィ ルムをス ぺーサ一に用い、 空隙を介して配置する。 次いで光導電材料 の透明電極側から像を投影し、 両電極間に 7 0 0 Vを 0 . 1 sec 印加して像露光を行い、' 媒体上に静電潜像を形成した。 その後、 静電潜像を形成した媒体を 2 0 0 Vにコロナ帯電さ せた具体例 9 の媒体と対向させ、 3 . 5 〃mのポリエステル フィ ルムをスぺーサ一に用い、 空隙を介して配置する。 これ を 6 0 °Cのオーブン中で 3 mi n 加熱して具体例 8で得られた 媒体上に凹凸深さの大きいフロス ト像が得られた。
[0137] このように、 静電荷パターンを形成した熱可塑性樹脂層に 対向して所定の電位を有する絶縁体または導電体を対向配置 することにより、 熱可塑性樹脂層表面の静電荷に加わるクー ロン力を大き く して凹凸の深さを大き く し、 その結果像の濃 度レンジを広く とることが可能となる。
[0138] 第 1 4図は本発明のフロス ト像作成方法の一例を説明する ための図で、 図中、 1 0はコロナ放電電極、 1 1 は帯電電荷 である。
[0139] 本発明においては、 まず第 1 4図 (a)に示すように電荷保持 媒体 2 とコロナ放電電極 1 0 とを対向配置し、 電荷保持媒体 電極 2 b とコロナ放電電極 1 0 との間に電源 Eにより所定の 電圧を印加し、 熱可塑性樹脂層 2 a上に画像露光による像帯 電電荷と同極性の電荷 1 1 を均一に前帯電させる。 そのため に、 第 1 4図 (a)においては、 コロナ放電電極 1 0を電荷保持 媒体 2 と対向させた状態で移動させることにより行う。
[0140] また、 第 1 4図 (b)に示すように、 電荷保持媒体 2 と全面対 向する形状の電極 2 0を配置し、 電極 2 0 と電荷保持媒体電 極 2 bの間に所定の電圧を印加して、 熱可塑性樹脂層 2 a上 に均一に帯電するようにしてもよいし、 暗所で露光せずに電 圧を印加するのみで帯電するようにしてもよい。 喑所で電圧 を印加する場合には、 電圧印加時間及び印加する電圧を調整 することで精度良く しかも装置的にも簡便に前帯電を行う こ とができる。
[0141] さらに、 第 1 4図 (c)に示すように、 感光体 1 と電荷保持媒 体 2 とを対向配置し、 電極 l b と 2 b間に所定の電圧を印加 して感光体側から全面露光することにより帯電するようにし てもよい。
[0142] こう して均一に帯電させた電荷保持媒体 2 と感光体 1 とを 第 1 5図に示すように対向配置して両電極間に所定の電圧を 印加し、 画像露光を行う。 その結果、 露光された感光体 1 の 光導電層 1 cの部分は導電性となり、 電極 1 bから光導電層 1 cに注入された電荷は光導電層 1 cの表面に移動して空隙 中で電離したイオンと結合し、 結合したイオンと逆極性の空 隙中の電荷が空隙の電界により引かれて熱可塑性樹脂層 2 a 上に帯電し、 画像記録が行われる。
[0143] このような画像記録において、 感光体 1 は光が照射されて いる間は導体、 光が照射されていない時は絶縁体と考えるこ とができ、 また空気層にパッシェンの放電特性によって決め られる電圧を超える電圧がかかった場合、 放電間隙は導体と 考えることができる。 また、 電荷保持媒体 2は常時絶縁体と 考えてよい。
[0144] 従って、 第 1 5図の系は第 1 6図 (a)のような等価回路と考 えることができる。 第 1 6図 (a)において、 Vは感光体と電荷 保持媒体間に印加される電源電圧、 C : 、 R i は感光体の抵 抗と容量、 C 2 、 R2 は空気層の抵抗と容量、 V gはパッシ ェンの放電開始電圧、 C 3 は電荷保持媒体の容量である。 空隙の電圧が放電開始電圧 V gを超えると、 空隙の電圧は V gで飽和する。 そこで光が照射されず、 かつ空隙の電圧が 放電開始電圧を超えている場合の等価回路は、 第 1 6図 の ように、 電源電圧が V gだけ減少し、 感光体と電荷保持媒体 とが容量 d 、 C 3 で直列接続された等価回路と考えること ができる。 そして感光体側から光が照射され、 感光体が導体 となった時には、 第 1 6図 (c)のような等価回路になると考え てよい。
[0145] いま電荷保持媒体 2上に均一に前帯電を行い、 電位が V ' になったとすると、 電荷保持媒体 2には、
[0146] Q = C 3 V ' …… (1) の電荷が帯電したことになる。 そして空隙の電圧が放電開始 電圧 V gを超えた場合の各容量 C , 、 C 3 へ分配される電圧 を V , 、 V3 とすると、 次の連立方程式が成立する。
[0147] V! + V3 = V- V g
[0148] - C , V 1 + C 3 V 3 = C 3 V '
[0149] この式を解く ことにより
[0150] V j = C 3 (V- V g) / (C! + C 3 )
[0151] - C 3 V ' / ( C , + C 3 ) …… (2)
[0152] V3 = C , (V - V g) / ( C , + C 3 )
[0153] + c3 v ' κ (d +c3 ) …… ) (2)式の右辺第 1項は喑状態で感光体にかかっている電圧、 第 2項は前帯電により感光体に生じた電圧である。 また、 (3)式 において、 右辺第 1 項は未露光部分のかぶり電位、 第 2項は 前帯電により生じた電圧である。
[0154] 次に、 像露光を行って感光体が導電体となった状態、 即ち 等価回路が第 1 6図 (c)となる場合は、 前帯電のあるなしにか かわらず、 電荷保持媒体上の電位は V _ V gである。 従って 電荷保持媒体上での露光した部分と未露光部分の電位差厶 V は、
[0155] Δ V = V - V g - V3
[0156] = C! (V - V g) / ( C , + C 3 )
[0157] - C 3 V ' / (C , + C 3 ) …… (4) となる。 (4)式から V ' の正負により Δ Vが増減することが分 力、る。
[0158] 第 2図で説明したように、 露光量に対する電荷保持媒体上 の表面電位は第 1 7図 Aのような特性であり、 .
[0159] V 1 ≤表面電位 (V) ≤ V 2
[0160] J 1 ≤露光量 ( J) ≤ J 2
[0161] の範囲を満たす条件において電荷保持媒体を加熱して凹凸を 形成し、 その後冷却して凹凸を固定化することにより階調再 現性のあるフロス ト像が得られる。
[0162] これに対して前帯電させる電荷を画像露光により形成され る電荷と同極性とすると V 'が正となり、 (4)式から分かるよ うに、 A Vは小さ く なり AVB となる。 このことは (3)式にお いて露光量が小さい部分の電位が C 3 V ' / (C , + C 3 ) だけ底上げされることになり、 露光量に対する表面電位は特 性 Bのように変化し、 フロス ト像が形成される領域は J 3 〜 J 2へ拡がって階調再現性を大きくすることができる。
[0163] 一方、 前帯電させる電荷を画像露光により形成される電荷 と逆極性とすると、 V ' が負となり(4)式から分かるように厶 Vは大き くなり、 厶 V c となる。 このことは (3)式において露 光量が小さい部分の電位が C 3 V ' Z ( C I + C 3 ) だけ下 がることになるため、 露光量に対する表面電位は特性 Cのよ うになり、 フロス ト像が形成される領域は J 4 〜 J 1 と狭く なる。 この前帯電の量を制御することにより特性を急峻にす ることにより J 4を閾値として 2値的にフロス ト像を作成す ることができる。
[0164] このように、 前帯電の極性及び量を制御することにより階 調再現性を自由に設定することが可能となる。
[0165] なお上記では均一に前帯電する場合について説明したが、 前帯電をパターン状に行う ことにより、 フロスト像の階調再 現性をバタ一ン状に行う ことが可能となる。 前帯電をパ夕一 ン状に行う ことで、 例えばマスキングあるいはェンハンスメ ン ト等の画像処理、 演算等を行う ことができる。
[0166] 上記方法の例として、 ペンタ リ ン A J A (理科ハ ーキュ レス) 2 0 gをモノ クロ口ベンゼン 3 0 gに溶解させ、 4 0 重量 溶液を作成し、 この溶液を を蒸着した 1 mmガラス 板に 2 0 0 0 r p mでスピンコ一夕一により膜厚 3 . 2 m にコーティ ングした媒体を作成した。 この媒体に対して空隙 9 i mで感光体を対向させてガラス板と感光体の電極間に 7 5 0 V 、 0 . 1秒間グレースケールを投影露光し、 振動型表 面電位計を用いて測定したところ第 1 8図 (a)の〇印のような 結果が得られた。 このガラス板をオーブンで 8 0 °C、 3 mi n 加熱してフロス ト像を作成し、 マイクロデンシ トメ一夕 (コ 二力) を使用して反射吸光度を測定したところ第 1 8図 (b)の 〇印のような光吸収特性が得られた。 光吸収が大きいところ はフロス トの凹凸深さが大き く、 乱反射が大きいところであ る o
[0167] また、 前記ガラス板に対して、 感光体を用い、 喑所で 7 5 0 V、 0 . 1秒間電圧を印加することにより + 7 0 Vに均一 に前帯電した後に、 前記と同様にグレースケールを投影露光 して表面電位を測定したところ、 第 1 8図 (a)の□印のような 結果が得られ、 このガラス板をオーブンで加熱してフロス ト 像を作成し、 デンシ トを使用して反射吸光度を測定したとこ ろ第 1 8図 (b)の□印ような光吸収特性が得られた。
[0168] 図から分かるように、 像電荷と同極性の電荷を前帯電する ことにより露光量に対する表面電位の傾斜が緩やかになり、 フロス ト像作成可能露光量範囲を拡大し、 その結果フロス ト 像の階調再現性を拡げることができた。
[0169] 前記と同様に— 4 0 Vに均一に前帯電した後に、 前記と同 様にグレースケールを投影露光して表面電位を測定したとこ ろ、 第 1 8図 (c)の鲁印のような結果が得られ、 このガラス板 をオーブンで過熱してフロス ト像を作成し、 マイクロデンシ トメ一夕を使用して反射吸光度を測定したところ第 1 8図 (d) の暴印のような特性が得られた。
[0170] 図から分かるように、 像電荷と逆極性の電荷を前帯電する ことにより、 露光量に対する表面電位の傾斜が急峻になって フロス ト像を 2値的に再現することができるようになり、 そ の結果 ( 0, 1 ) デジタル記録あるいは硬調な再現ができる ようになった。 以上のように前帯電することにより記録像を 変調し、 画像処理することができるようになった。
[0171] なお、 第 1 9図は表面電位に対する光吸収をプロッ トしたも ので、 1 7 0 V以下ではフロス ト像が作成できないことが分 かる。
[0172] このように、 像露光に先立って像帯電電荷と同極性、 また は逆極性に前帯電させることにより y特性を変えてフロス ト 像の階調再現性を自由に選択することができ、 静電潜像と同 極性の電荷を前帯電させることにより階調再現性を拡げ、 一 方、 静電潜像と逆極性の電荷を前帯電させることにより 2値 的フロス ト像作成を行うことが可能となる。
[0173] 第 1 図で説明したように、 静電荷パターンが形成された電 荷保持媒体 2を、 例えば第 2 0図に示すようにオーブン 3 0 の台 3 0 c上に置いてヒーター 3 0 a と送風機 3 0 b とを用 いて、 例えば 6 0てで 1 0分間、 1 1 0でで 5秒間というよ うに加熱すると、 静電荷が帯電している熱軟化性樹脂層 2 a が軟化してフロス ト像が形成され、 その後冷却することによ り凹凸が固定化されて情報として記録される。 画像露光で形 成された静電荷パターンは非常に高解像であり、 熱軟化性樹 脂層の厚みを薄くすることにより非常に高精細の凹凸像が形 成されな £5
[0174] このよう形成されたフロス ト像の読み取りについて第 2 1 図により説明する。
[0175] 第 2 1 図 (a)において、 レーザ光源 5 1 からのレーザ光を反 射ミ ラー 5 2 a、 ハーフ ミ ラー 5 2 bを介してフロス ト像が 形成された電荷保持媒体表面に対して照射し、 その反射光を ハーフ ミ ラー 5 2 bを通して検出器 5 3により電気信号に変 換して読み取る。 そして、 走査駆動装置 5 0により走査光学 系を走査駆動しながら電荷保持媒体表面を走査して順次読み 取ることにより、 レーザ走査密度に応じた解像度でフロス ト 像を読み取ることができる。 この場合、 凹凸部分は乱反射し て白く見え、 凹凸が形成されていない部分は光が透過して黒 く見えるのでフロス ト像のネガ像を読み取ることになる。 第 2 1 図 (b)は透過光によりフロス ト像を読み取るものであ り、 この場合には反射ミ ラ一 5 5、 5 6を走査駆動装置 5 0 で走査駆動しながらフロス ト像を読み取る。 凹凸部分は乱反 射して光は透過しないので黒く見え、 凹凸の形成されていな い部分は光が透過して白く見えるので、 フロス ト像のポジ像 を読み取ることになる。
[0176] このように、 反射光で読み取るか、 透過光で読み取るかに よりポジ像、 あるいはネガ像としてフロス ト像を読み取るこ とができるので、 必要に応じてどちらかを選択して、 高解像 の読み取りを行うことができる。
[0177] 第 2 2図は本発明のフロス ト像読み取り方法を入カスキヤ ナ一に適用した実施例を説明するための図である。
[0178] 電荷保持媒体 2には、 例えば所定の原稿がフロス ト像とし て記録されている。 そしてレーザ光源 5 1 によりハーフ ミ ラ — 5 7を介して電荷持媒体 2の表面を走査してその反射光を 検出器 5 3で検出して電気信号に変換し、 さらに A Z D変換 してコンピュータ 6 1 に読み込む。 この場合、 画像データは 膨大になるので、 多くの画像情報を読み込むために磁気ディ スク 6 2、 または磁気テープ 6 3に記録する。 そして、 必要 な時にこれを読み出し、 図示しないモニタで観察しながら画 像合成、 色修正、 倍率変換、 マスキング、 ディテール強調等 所定の画像処理を加えて記録へッ ド 6 6を通して記録シリ ン ダ 6 7にセッ トしたフイ ルム 6 8 に露光記録する。 なお、 画 像データは必要に応じてプリ ン夕 6 5によりプリ ン トアウ ト することができる。
[0179] この場合、 フロス ト像を形成した電荷保持媒体 2は入カス キヤナーを構成し、 その構成はフラッ トべッ ドタイプである ので、 読取りシリ ンダ等を必要とせず、 構成をコンパク トに できると共に、 原稿のセッ ト等面倒な操作が要らなくなる。 また、 電荷保持媒体 2には面露光によりアナログ情報がフロ ス ト像として記録されているが、 このまま M Tの代用として おけば、 M Tへの記録、 読みだしに要する時間を省略するこ とができるため原稿読み込みから露光記録までの トータルの 時間を短縮することができる。
[0180] このように、 フロスト像の形成された熱軟化性樹脂表面を レーザ光で走査し、 透過光または反射光が読み取ることによ り、 レーザ光の走査密度がフロス ト像の高解像性を活かして 読み取ることができ、 必要に応じて透過光か反射光かにより ポジ像とネガ像を選択して読み取ることが可能となる。 第 2 3図はフロス トフィルムへの静電荷像の形成を説明す るための図、 第 2 4図はフロス ト像が形成された 0 H P原稿 を説明するための図である。 図中、 2はフロス トフィ ルム、 2 aは熱可塑性樹脂層、 2 bは透明電極、 2 cは支持体、 7 0は光源、 7 1 はプラテンガラス、 7 2はオリ ジナル原稿で める。
[0181] 感光体 1 は第 6図で説明したものと同じであり、 この感光 体に対向して 1 0 z m程の間隙を設けて第 6図の電荷保持媒 体と同様の構成のフロス トフィルム 2が配置される。 このよ うな感光体とフロス トフィルムとをプラテンガラス 7 1 の下 面側にセッ トするとともに、 プラテンガラス上面に本等のォ リ ジナル原稿 7 2をセッ トする。 感光体とフロス トフィ ルム の両電極間に電圧を印加しながらプラテンガラス下面側から 光源 7 0によりオリ ジナル原稿 7 2に光を照射してその反射 光で感光体を露光すると、 オリ ジナル原稿面の黒の部分は光 が吸収されて反射光は少なくなり、 白の部分からは光が反射 されるので、 原稿面の濃淡に応じて画像露光が行われる。 そ の結果、 光の照射された領域は感光体が導電性となって感光 体とフロス トフィルム間隙に大きな電圧が加わって放電が起 こり、 一方、 光の照射されない領域では感光体が絶縁性のま まであるので感光体とフロス トフィルム間隙には放電破壤電 圧を越える電圧が加わらないため放電が起こ らず、 絶縁性の フロス トフィルム上には原稿面の濃淡画像に応じた静電荷パ ターンネガ像が形成される。
[0182] 次に、 静電荷パターンが形成されたフロス トフィ ルム 2を 第 2 0図に示したようなオーブン 3 0を用いて加熱すると、 静電荷が帯電している熱可塑性樹脂層 2 aが可塑化する。 そ して電極 2 bには表面の静電荷と逆符合の電荷が誘起してい るので、 表面静電荷には電極方向にクーロン力が働き、 熱可 塑性樹脂層表面は内側に引っ張られる。 その結果、 可塑化し た樹脂層表面には第 2 4図に示すように静電荷パターンに応 じた凹凸像、 すなわちフロス ト像が形成され、 フロス トフィ ルを冷却することにより四凸が固定化されて情報として記録 され O H P原稿を得ることができる。 そこで、 光を照射する と、 凹凸が形成された部分では乱反射が起こり、 透過光また は反射光により凹凸の有無を読み取って情報の再生を行う こ とができる。
[0183] 例えば、 光を照射してその透過像を観察すると、 フロス ト 像の形成されている部分は乱反射が生じて黒く見え、 フロス ト像が形成されていない部分は光は透過するので白く見える のでフロス ト像のポジ像、 ォリ ジナル原稿に対するネガ像が 観察される。 一方、 フロス トフィ ルムに光を照射してその反 射像を観察するとフロス ト像の形成されている部分は乱反射 が生じて白く見え、 フロス ト像が形成されていない部分は光 は透過するので背景色が見えることになり、 フロス ト像のネ ガ像、 オリ ジナル原稿に対するポジ像が観察される。 なお、 表面の電荷は加熱の過程でリークして大部分は消滅すること になる。
[0184] フロス トフィルムとしては、 第 2 5図 (a)に示すように P E T支持体 2 c上に透明電極層 2 b、 熱可塑性樹脂層 2 aを順 次積層するタイプのもの、 第 2 5図 (b)に示すように P E T支 持体 2 cの両面に熱可塑性樹脂層 2 a と透明電極層 2 bをそ れぞれ形成したタイプのもの、 或いは第 2 5図 (c)に示すよう に単に P E T支持体 2 c上に熱可塑性樹脂層 2 aを形成した タイプのものを用いることができる。 但し、 第 2 5図 (c)のタ イブのものでは別途電極を用意し、 これを支持体に接触させ て感光体との間に電圧を印加する必要がある。
[0185] また、 静電荷パターンを形成したフィ ルムを加熱してフロ ス ト像を形成する場合、 熱可塑性樹脂層上の電荷に大きな電 界が作用した方が大きな凹凸が得られてコン トラス トが向上 する。 そこで、 第 2 6図に示すように静電荷パターンが形成 された熱可塑性樹脂層 2 &に 0 . 5〜 3 nmの空隙を介して導 電体 7 5を対向配置し、 電極 2 b と導電体 7 5 とを接地する と、 導電体 7 5には逆電荷が誘起して電荷に対して大きなク 一ロン力が作用する。 この状態で加熱することによりコン ト ラス トの向上したフロス ト像が得られる。
[0186] 第 2 7図は雨樋型感光体を使用した本発明の実施例を示す 図である。 図中、 第 2 3図と同一番号は同一内容を示してい る。 なお、 8 0は照射光学系、 8 1 はスリ ッ ト光源、 8 2は 反射.ミ ラ一、 8 3は反射光学系、 8 3 a、 8 3 bは反射ミ ラ 一、 8 5 はレンズ、 8 7は反射光学系、 8 7 a、 8 7 bは反 射ミ ラ一、 8 8は反射ミ ラ一、 8 9、 9 0 は搬送用ローラ一 である。
[0187] 本実施例は複写機の露光系を利用して本等のォリ ジナル原 稿をフロス トフィルムに複写しようとするものである。 プラテンガラス 7 1上に本等のオリ ジナル原稿 7 2をセッ ト し、 主走査方向に長いスリ ッ ト光源 8 1、 および反射ミ ラ 一 8 2を有する照射光学系でプラテンガラス下面側を副走査 しながら光照射し、 その反射光を反射光学系 8 3、 ミ ラー 8 5、 反射光学系 8 7、 反射ミ ラー 8 8を介して感光体 1 に照 射露光する。 感光体 1 はスリ ッ ト光源に対応して主走査方向 に長く、 図示するようにフロス トフィルム 2に対向した面が 円筒面状または放物面状の凸曲面をしており、 これに対向し て、 例えば第 2 5図 (b)に示すようなフロストフィルム 2が搬 送ローラー 8 9、 9 0により照射光学系 8 0の副走査に同期 して搬送されている。 その結果、 感光体とフロス トフィルム 2 とが最も接近した付近で放電が起こって線状に静電荷パ夕 ーンが形成され、 照射光学系に同期してフロス トフィルム 2 を搬送することにより、 オリ ジナル原稿像に対応した静電荷 パターンが順次形成されることになり、 このフィルムを加熱 することによりフロス ト像を形成することができる。
[0188] 本実施例においては、 感光体の面が凸曲面をし、 フィルム と最も接近した領域においてのみ間隙の電圧が放電破壤電圧 を越えるように曲面を形成することにより、 露光領域以外で の放電を防止することができるので、 ノ、'ックグラウン ドの画 像化、 すなわちかぶりの発生を防止することができる。
[0189] 第 2 8図はスリ ツ ト状感光体を用いた実施例を示す図であ り、 第 2 7図と同一番号は同一内容を示している。
[0190] 本実施例は、 第 2 7図のものと感光体 1 の構成が異なる以 外は全く同じである。 感光体 1 は透明電極 2 bをスリ ッ ト光 源 8 1 に対応して主走査方向に細長く、 幅 1 mmとしたもので あり、 この部分にのみ電圧をかけて露光が行われるので、 第 2 7図の場合と同様に露光部以外のかぶり現象を防止するこ とができる。
[0191] 第 2 9図はプリ ン夕に適用した本発明の他の実施例を示す 図である。 図中、 1 0 0はコンピュータ、 1 0 1 はレーザ光 源、 1 0 2は音響光学変調器 (A O M ) 、 1 0 3はポリゴン ラーである。
[0192] 本実施例では、 コンピュータのデータでレーザ光源 1 0 1 からのレーザ光を A 0 M 1 0 2を介して変調し、 ポリゴン ミ ラー 1 0 3で主走査方向に走査しながらスリ ッ ト露光してフ ロス トフロス トを副走査方向に搬送することにより、 フロス トフイルム 2上に線状に静電荷パターンが形成される。
[0193] また、 本実施例においては、 コンピュータデータから直接 0 H P原稿を作成することができるので、 一旦、 コンビユ ー 夕データをプリ ン トアウ トすることが必要なくなり、 0 H P 原稿作成のための作業能率を向上させることができる。
[0194] このように、 熱可塑性フロス トフィ ルム上に直接静電荷像 を形成した後、 加熱してフロス ト像を形成し、 O H P原稿を 作成しているので、 トナー現像を行う必要がなく極めて解像 度の高い O H P原稿を作成することができ、 またフロス ト像 は露光量に応じて凹凸の大きさが変化するので階調性もだす ことができ、 特にプリ ン夕に適用した場合には直接コンビュ —夕データから O H P原稿を作成することも可能となる。 第 3 0図は画像形成方法を説明するための図、 第 3 1 図は 露光量と電位の関係を説明するための図である。 図中、 1 は 感光体、 l aは光導電層支持体、 l bは感光体電極、 l cは 光導電層、 I dは絶縁性スぺーサ、 2は電荷保持媒体、 2 a は絶縁層、 2 bは電荷保持媒体電極、 2 cは絶縁層支持体、 1 0 はコロナワイヤ電極、 2 0は平板状まかは棒状電極、 E は電源、 Sはスィ ッチである。
[0195] 電荷保持媒体 2は 1 腿厚のガラスからなる絶縁層支持体 2 c上に 1 0 0 O A厚の透明な I T O電極 2 bを蒸着により形 成し、 この電極 2 b上に 1 0 /z m厚の絶縁層 2 aを形成した ものであり、 感光体 1 は 1■厚のガラスからなる光導電層支 持体 1 a上に 1 0 0 0 A厚の A _gからなる感光体電極 1 bを 形成し、 この上に 1 0 m程度の光導電層 1 c及びポリエス テルフィ ルムスぺーサ 1 dを 1 0 〃 m程形成して感光体 1 を 構成している。 従って感光体と電荷保持媒体は 1 O z m程度 の空隙を介して配置される。
[0196] 第 1 4図で説明したと同様に電荷保持媒体 2に対して、 例 えばコロナヮィャ電極 1 0に電圧を印加することによりコロ ナ放電を生じさせて絶縁層 2 aを所定電位に帯電させる。 も ちろん、 第 3 0図 (b)に示すように電極 2 0を電荷保持媒体 2 に対して対向配置し、 電源 Eによる電圧印加のみにより帯電 させてもよく、 摩擦帯電、 剝雜帯電、 コロナ帯電等の他の方 法を使用してもよく、 この場合、 感光体の多数キャ リア (輸 送が生じ易い極性の電荷) と逆極性の電荷を帯電させるよう にする。 多数キャ リアは、 有機感光体においては正電荷であ り、 無機感光体においては材料に応じて正電荷あるいは負雷 荷となる。 従って、 例えば、 有機感光体を使用した場合には 電荷保持媒体上に負電荷を帯電させるようにする。 次に、 第 3 0図 (a)の様に帯電させた電荷保持媒体 2を感光体 1 に対し て 1 0 z m程度の空隙を介してセッ ト しスィ ッチ Sを閉じて 電極 l b、 2 b間を短絡する。 電極 2 bには絶縁層表面の負 電荷と逆極性の正電荷が誘起されているが感光体電極 1 b間 と短絡するこ とにより電荷の一部が電極 1 bに分配され、 電 荷保持媒体と感光体との間には所定の電圧差が生ずる。 この 状態で、 例えば電荷保持媒体側から画像露光を行う と光導電 層 1 cにおいてキャ リアが発生し、 正電荷が電荷保持媒体側 表面へ引っ張られて輪送される。 そして、 光導電層表面にお いて空隙中の電離負電荷と結合して中和し、 空隙中の電雜正 電荷が電荷保持媒体側に引っ張られて絶縁層表面の負電荷と 中和する。 この絶縁層表面の負電荷と中和する正電荷量は露 光量に対応したものであるので、 露光量に対する絶縁層表面 の電位は第 3 1 図のようになる。 このように、 絶縁層表面電 位は画像に応じたものとなるので、 静電潜像が形成されたこ とになる。 この場合、 露光量の多いところは電位が低下し、 例えばトナー現像した場合には トナーがのらない方向になる ので、 この画像形成方法により得られる像はポジ像となる。 なお、 スィ ッチを O F F した場合には露光していても多数キ ャ リァの輸送は生じないので潜像の形成は行われず、 スイ ツ チの O N— O F Fによりシャ ツ夕作用を行わせることができ る。 また、 露光時には画像露光以外にはエネルギの注入がな いのでノイズのない高面質を達成することが可能となる。 第 3 2図はオーバ一へッ ドプロジェクタ原稿作成装置の一 実施例を示す図である。 図中 1 1 0はフロス ト形成用電荷保 持媒体、 1 1 0 aは熱可塑性樹脂層、 1 1 0 bは透明電極、 1 1 0 cは透明フィルム、 1 1 0 dはス トライプカラーフィ ルタ、 1 1 0 eは 3面分割カラーフィルタ、 1 1 1 は ^電 極ドラム、 1 1 2は光導電層、 1 1 3はスぺーサ、 1 1 4は 短絡手段、 1 1 4 aは ON/O F Fスィッチ、 1 1 5 は結像 レンズ、 1 1 6は反射ミ ラ一、 1 1 7はコロナ帯電器、 1 1 8は消去用光源、 1 1 9はヒータ一、 1 2 0は静電荷像、 1 2 1 はフロス ト像を示している。
[0197] フロス ト形成用電荷保持媒体 1 1 0は、 第 3 2図 (b)に示す ように透明フィルム 1 1 0 c上に I T Oを蒸着し、 さらにそ の上に熱可塑性樹脂層を積層した構造になっており、 第 3 2 図 (a)に示すように図示しない供給手段により連続的または間 欠的に順次供給され、 ドラム状感光体に巻回して図示しない 巻き取り手段により巻き取られるようになつている。 ドラム 状感光体は、 電極ドラム 1 1 1上に光導電層 1 1 2、 透 明あるいは有色または不透明な絶緣性スぺーサ 1 1 3を順次 積層した構造となっており、 フロスト形成用電荷保持媒体が 熱可塑性樹脂層 1 1 0 aをドラム側にして供耠される。 熱可 塑性樹脂層 1 1 0 aはあらかじめコロナ帯電器 1 1 7により 所定電位に帯電されており、 I T 0 1 1 0 b と A ^電極 1 1 1 とを短絡手段 1 1 4の ONZO F Fスィ ッチ 1 1 4 aを閉 じることによって短絡し、 結像レンズ 1 1 5、 反射ミ ラ一 1 1 6を通してスリ ッ ト露光される。 もちろん、 ビーム走査露 光等他の露光方法によってもよい。 この露光により、 電荷保 持媒体上にはポジの静電潜像 1 2 0が形成される。 そしてヒ 一ター 1 1 9で加熱す'ることにより、 凹凸像が形成され、 そ の後冷却することによりこの凹凸が固定化され、 ポジの凹凸 像が得られる。 なお、 露光により感光体に電荷保持媒体とは 逆極性の電荷が残り、 ゴース トが生ずるので、 ライ ン型の感 光体が感光する波長の発光ダイォー ド等からなる消去用光源 で光照射したり、 あるいは A Cコロナ等により残像を消去す ることが望ましい。
[0198] 以上はフロス ト像を利用した 0 H Pポジ原稿作成装置シス テムの実施例であるが、 このシステムを利用してマイクロフ イ ルムシステムを構成することも可能である。 その場合、 第 3 2図 (a)の露光部 1 1 5、 1 1 6では原稿をマイクロフィ ル ムサイズに縮小結像させる様に設計し、 基本構成は 0 H P原 稿作成装置と同様にすることができる。
[0199] また、 スライ ド作成装置も同様でありマイ クロフィ ルム程 レンズ系の工夫は複雑にならない。
[0200] また、 これらのシステムにおいて、 カラー化にも対応する ことが可能である。 その場合、 必要な条件としては感光体が カラー感度を有していること、 即ち、 有機系の場合、 顔料、 染料等混合系で R G B分光感度を持たせたり、 無機系では a — S e等の場合、 T e、 A s系をドープして赤色感度を持た せたり、 a— S i系等では C等をドープして同様に赤色感度 を持たせフルカラー感度を持たせることができる。
[0201] —方、 第 3 2図 (c)〜(! 1)に示すように、 ス トライプカラーフ ィルタ 1 1 0 dあるレ、は 3面分割フィル夕 1 1 0 eを透明フ イ ルム 1 1 0 cの裏側 (第 3 2図 (c)、 (f) ) 、 I T 0電極 1 1 0 b とフィ ルム 1 1 0 cの間 (第 3 2図 (d)、 (g) ) 、 I T〇電 極 1 1 0 b と熱可塑性樹脂層 1 1 0 a との間 (第 3 2図 (e)、 (h) ) に設けるようにする。 カラーフィル夕がストライプフィ ル夕、 あるいはモザイク状フィル夕の場合には 1 ショ ッ ト力 ラー露光で像形成、 再生が可能であり、 3面分割カラーフィ ル夕の場合には、 1 ショ ッ ト画像を 3分割して露光し、 3画 面を撮影した後、 再生時に 3面重ねたカラ一像を形成するこ とができる。
[0202] このように、 あらかじめ熱可塑性樹脂層を有する電荷保持 媒体を帯電させておき、 この電荷保持媒体をドラム状感光体 に順次供給し、 面像露光に際して電荷保持媒体と感光体の電 極を短絡することによりポジフロス ト像を得ることが可能と なり、 容易にポジ O H P原稿、 マイ クロフィ ルム、 透過型ス ライ ドフィルム原稿を得ることが可能となる。
[0203] 産業上の利用の可能性
[0204] 本発明は、 簡便に鲜明かつ階調性のあるフロス ト画像を得 ることができるので、 O H P原稿、 マイクロフィルム、 透過 型スライ ドフィルム等各分野への応用が可能である。
权利要求:
Claims 請 求 の 範 囲
( 1 ) 電極上に分子量 5 0 0〜 1 0 0 0 0のピネン重合体記 録層が積層された情報記録媒体であって、 該記録層表面に情 報電荷が蓄積された後、 該ピネン重合体を加熱、 或いは溶剤 蒸気中に放置することにより記録層表面に情報電荷に対応し たフロス ト状可視像を形成する情報記録媒体。
( 2 ) 前記情報電荷の蓄積手段が、 電極を有する感光体と対 向配置された状態での電圧印加時露光によるものである請求 項 1記載の情報記録媒体。
( 3 ) 前記電極が熱酸化処理されたシリ コン基板である請求 項 1記載の情報記録媒体。
( 4 ) 静電潜像を形成した熱可塑性樹脂層を有する電荷保持 媒体を加熱し、 変形歪みを形成した後冷却するこ とによりフ ロス ト像を固定化するフロス ト像作成方法であって、 変形歪 みを形成する熱現像時に熱可塑性樹脂層の静電潜像を形成し た側に導電体を対向配置したことを特徵とするフロス ト像形 成方法。
( 5 ) 請求項 4記載の方法において、 導電体が均一でフロス ト像形成部分と同面積あるいはそれ以上の面積を有すること を特徴とするフロス ト像形成方法。
( 6 ) 請求項 4記載の方法において、 導電体がパターン状に 形成されていることを特徴とするフロス ト像形成方法。
( 7 ) 静電潜像を形成した熱可塑性樹脂層を有する電荷保持 媒体を加熱し、 変形歪みを形成した後冷却するこ とによりフ ロス ト像を固定化するフロス ト像作成方法であって、 変形歪 みを形成する熱現像時に熱可塑性樹脂層の静電潜像を形成し た側に静電潜像と逆符号の電荷を帯電させた絶縁体を対向配 置したことを特徵とするフロス ト像作成方法。
( 8 ) 請求項 7記載の方法において、 絶縁体上の電荷を均一 帯電させたことを特徵とするフロス ト像作成方法。
( 9 ) 請求項 7記載の方法において、 絶縁体上の電荷をバタ ーン状に帯電させたことを特徵とするフロス ト像作成方法。
( 1 0 ) 静電潜像を形成した熱可塑性樹脂層を有する電荷保 持媒体を加熱し、 変形歪みを形成した後冷却することにより フロス ト像を固定化するフロス ト像作成方法であって、 変形 歪みを形成する熟現像時に熱可塑性樹脂層の静電潜像を形成 した側に導電体を対向配置するとともに、 該導電体と電荷保 持媒体間に電圧を印加することを特徵とするフロス ト像作成 方法。
( 1 1 ) 請求項 1 0記載の方法において、 導電体が均一でフ ロス ト像形成部分と同面積あるいはそれ以上の面積を有する ことを特徵とするフロス ト像形成方法。
( 1 2 ) 請求項 1 0記載の方法において、 導電体がパターン 状に形成されていることを特徵とするフロス ト像形成方法。 ( 1 3 ) 光導電性層を有する感光体と、 熱可塑性樹脂層を有 する電荷保持媒体を対向配置し、 電圧印加露光により静電潜 像を形成した電荷保持媒体を加熱し、 変形歪みを形成した後 冷却することによりフロス ト像を固定化するフロス ト像作成 方法であって、 電荷保持媒体上にあらかじめ電荷を前帯電さ せておく ことを特徵とするフロス ト像作成方法。 ( 1 4 ) 請求項 1 3記載の作成方法において、 前帯電する電 荷は静電潜像と同極性または異極性であるこ とを特徴とする フロス ト像作成方法。
( 1 5 ) 請求項 1 3 または 1 4記載の作成方法において、 電 荷保持媒体上にあらかじめ電荷を均一に前帯電するこ とを特 徴とするフロス ト像作成方法。
( 1 6 ) 請求項 1 3 または 1 4記載の作成方法において、 電 荷保持媒体上にあらかじめ電荷をパターン状に前帯電するこ とを特徴とするフロス ト像作成方法。
( 1 7 ) 電荷保持媒体上にあらかじめコロナ放電により電荷 を前帯電させることを特徵とする請求項 1 3記載のフロス ト 像作成方法。
( 1 8 ) 電荷保持媒体と導電性電極を対向配置し、 電圧を印 加することで電荷保持媒体上に電荷を前帯電させることを特 徵とする請求項 1 3記載のフロス ト像作成方法。
( 1 9 ) 電荷保持媒体と感光体を対向配置し、 露光しない状 態で電圧を印加することで電荷保持媒体上にあらかじめ電荷 を前帯電させることを特徴とする請求項 1 3記載のフロス ト 像作成方法。
( 2 0 ) 熱軟化性樹脂層を加熱して変形歪みを形成した後、 冷却して変形歪みを固定することにより形成されたフロス ト 像の読取り方法であって、 熱軟化性樹脂層表面をレーザ光で 走査し、 透過光または反射光を読み取ることを特徵とするフ ロス ト像の光学的読取り方法。
( 2 1 ) 支持体上に導電性層、 光導電性層を形成した感光体 と、 フロス トフィルムとを対向配置し、 感光体とフロス トフ ィルム間に電圧を印加しながら画像露光してフロス トフィル ム上に静電荷像を形成する工程と、 静電荷像を形成したフロ ス トフィルムを加熱してフロスト像を形成する工程とからな るオーバ一へッ ドプロジェクタ原稿作成方法。
( 2 2 ) 請求項 2 1記載の作成方法において、 加熱時にフ口 ス トフィルムの静電荷像形成面に対向して導電体を配置し、 接地したことを特徵とするオーバ一へッ ドプロジェクタ原稿 作成方法。
( 2 3 ) 支持体上に導電性層および光導電性層を形成した感 光体と、 感光体に対向配置されるフロス トフィルムと、 感光 体とフロス トフイルム間に電圧を印加する電源と、 感光体に 画像露光する光学系と、 静電荷像を形成したフロス トフィ ル ムを加熱する加熱手段とを備えたォ一バーへッ ドプロジェク タ原稿作成装置。
( 2 4 ) 請求項 2 3記載の原稿作成装置において、 さらにフ ロス トフィルム搬送手段を備えたことを特徴とするオーバー へッ ドプロジェクタ原稿作成装置。
( 2 5 ) 請求項 2 4記載の原稿作成装置において、 感光体の フロス トフィ ルムとの対向面が円筒状、 または放物面状であ り、 スリ ッ ト走査露光または強度変調走査ビーム露光するこ とを特徴とするオーバーへッ ドプロジェクタ原稿作成装置。
( 2 6 ) 請求項 2 4記載の原稿作成装置において、 感光体は 幅の狭い細長形状であり、 スリ ッ ト走査露光または強度変調 走査ビーム露光することを特徵とするオーバ一へッ ドプロジ 二クタ原稿作成装置。
( 2 7 ) 表面に導電性層を形成した ドラム上に光導電性層、 スぺーサを積層形成したドラム状感光体と、 支持体上に導電 性層、 熱可塑性樹脂層を積層形成され、 熱可塑性樹脂層がド ラム状感光体の少なく とも一部と接触するように順次供給さ れるフロス トフィ ルムを前帯電する帯電手段と、 帯電したフ ロス トフイルムと ドラム状感光体の導電性層間を短絡する短 絡手段と、 露光手段と、 露光したフロス トフィ ルムを加熱す る加熱手段とを備え、 前帯電したフロス トフィルムと ドラム 状感光体の導電性層間を短絡した状態で画像露光し、 露光後 加熱現像することによりポジフロス ト凹凸像を形成するよう にしたことを特徵とする原稿作成装置。
( 2 8 ) 請求項 2 7記載の装置において、 スぺ一サがフロス トフィルム側に積層されていることを特徵とする原稿作成装
( 2 9 ) 請求項 2 7記載の装置に、 さらに ドラム状感光体の 電位を消去する消去手段を備えた原稿作成装置。
( 3 0 ) 請求項 2 7または 2 8記載の装置において、 原稿が オーバーへッ ドプロジヱクタ用、 またはマイクロフィルム、 または透過型スライ ドフィルムである原稿作成装置。
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